〇大衆文学資料


角川文庫ホームライブラリーセット
(創刊30周年記念フェア)







角川文庫に白背のハードカバー装の本がある。

他の文庫、特に一時期には中高生の教科書の副読本を自認していたかに見られる
旺文社文庫などにその例は多くあり、また、この角川文庫にも往年からの教科書的な愛蔵版もあるらしい。
しかし、それらの多くは図書館用に仕立てられたものであったり、
年長者から若者へのプレゼントとして需要を求められたりしたものだったようだ。
しかしながら、ここにとりあげた白色の角背のハードカバー角川文庫は、
それらとはいささか違った性格を持っていたようだ。
図書館用などに仕立てられた名作本位で編集された文庫名作ライブラリーでは
作品が主体であるらしく一人の作家で2、3冊を占める場合がままある。
例えば、漱石など当時の常識とすれば、やはり一冊では収まらなかったはずであろう。




最近、手元にある2、30冊の堅装によるこの角川文庫を眺めているとき、
どうも、このラインナップかつてどこかで見たような気がしてきてならなかったのである。
ということで、ずいぶんと前に新刊書店でもらってきた文庫本のリストを掘り出して見たところ、
幸運にもでてきたのが小冊子『角川文庫スーパーバラエティ100』。
別名は『時間がないんだ青春は。』、表紙は薬師丸ひろ子である。




当時の小冊子



そのころの角川春樹、夏季の文庫戦略は角川映画手持ちの女優を活用したメディアミックスが多く用いられ、
その他、原田知世、渡辺典子らが表紙を飾った小冊子もあったはずである。

かつての角川文庫の、図書館的とか、旧套の名作のアンコールといった意義から一歩抜き出ようとしたのが、
二代目社主となった角川春樹氏の戦略だった。
しかしながら、こういったメディアミックスも、名作アンコールからの脱却といった方法も、
出版ジャーナリズム史を落ち着いて眺めて見ると、
なにも氏だけの発想が最初ではなかったことは容易に理解できるのだけれども、
やはり今から考えると、時代を大きく泳ぎ回った氏の手法と手腕は記憶に残るものである。

さて、以下にリストアップしたものは実は1979(昭和54)年に同社から出された
『角川文庫スーパーバラエティ100』と称する文庫版の冊子(123p)の内容である。
そしてその内容が、この角川文庫に白背のハードカバー装の本と共通している点は無視できない。
そして、手元にある白背によるハードカバー装の角川文庫には外装があったかどかは分からない裸本である。
また、裏表紙には価格は記されていない。
表紙にはこのハードカバーのための通しナンバーが印刷されているが、
扉には本来の四桁からなる通しナンバーがそのまま踏襲し、
奥付もそのまま、どうも、既成本の表紙を剥ぎ取って、
この白背のハードカバー装の本が仕立てられたのと考えられる。
その理由を、手元にあるこのシリーズの本の奥付との関連を以下のリストから御覧いただけると思う。
ただ、実際100冊あるといわれているこのハードカバーを全冊確認していないので、
不具合が生じる可能性もあるかもしれない。



以下のリストの最初にある洋数字は実際に確認した通しナンバーである。
これだけラインナップが重なっていることを見てみると、
両者の関係は大であることは記しても無理あることにはなるまい。
ただ、全点確認まで至っていないので、確言は控える。
また、小冊子『角川文庫スーパーバラエティ100』には、全点の書影が引用されているが、
それは当時流布された角川文庫の書影であり、その後に仕立てられた堅装ものとは違っている。
つまり、販売営業目録として『角川文庫スーパーバラエティ100』を頒布した現実がありながら、
後に100冊もの同じ内容のセットを読者に販売するなど考えられないこともあり、
『角川文庫ホームライブラリーセット』が一般販売用ではなかったと思われる一つの根拠となっている。

次にある○数字は『角川文庫スーパーバラエティ100』から、一見よく分からないような、
なぜだかジャンル分けされている流れをあえて記して見た。
目次で色によって分けたり、頁の節目に区分けをしていたりしているので、
それをヒントにそのジャンルを記してみる。
丸数字の後にある著名人の名はこの小冊子のジャンル分けの
見出し様の節目に小文のタイトルとそれ書いている面々である。
言葉がたりないかも知れないが、私なりにこのジャンル分けを解題してみた。
が、いろいろと考えてみたところ、DEFについては、
その当時在庫があったそれらのジャンルからチョイスされたものであろう。
これらはその当時、文庫としてアピールしていた新しきジャンル≠セと言われていたものではある。






@『未知数の魅力』五木寛之
この当時に角川文庫一押しのラインナップ。
映画化作品や、同文庫のエポックメーキング的作品も含まれている。

A『文学の原点』大野晋
いわゆる教科書的な作品群。
しかしながら、実は野心的なラインナップでもある。

B『みごとな文学作品の結集』井上靖
有名どころの文学賞受賞作品、または受賞作家の作品。

C『エンターテイメントの多彩な地図』尾崎秀樹
エンターテイメントの文学賞関連作品。
角川小説賞∞「野生時代」新人文学賞≠フ受賞作品も含まれる。

D『ミステリー名作群の魔力』中島河太郎
文学賞受賞作品が多い。

E『SFと文庫』星新一
これは不思議と受賞作は半村良の泉鏡花賞『産霊山秘録』だけである。
失礼、山田正紀の作品は角川小説賞≠授けられている。

F『優しい同士たちに』立原えりか
これも、古典翻訳を別にすれば船崎克彦『ぽっぺん先生の日曜日』以外は、
各文学賞受賞作品である。

G『故角川源義のことば』扇谷正造
創業者の遺志で、最後のラインナップを締めくくっているのだろうか。



同小冊子には各冊の書影がそれぞれ挿入されているが、それは現行のカバー付のものであり、
それを元にしてアピールと販売を考えているらしい。
繰り返しになるが、この小冊子を買った読者は、
すぐ後に仕立てられたハードカバーに購買意欲はわかないと考えるのが一般的だろう。
そしてまた、小冊子の配列と、すぐ後に仕立てられた堅装の100冊のナンバーの配列の違いも、
当時、生まれ変わろうとしていた戦後の老舗文庫のウネりを感じさせて興味深い。



ハードカバー装のこの角川文庫の刊行はどういった意味があるのだろうか。
それで角川文庫の資料をわが狭隘なる物置を開いたところ、以下の葉書が出できた。


【創刊30周年角川文庫記念フェア】
角川文庫創刊30周年記念フェア期間中に文庫お買い上げの方の中から、
このカード又は、官製はがきによる抽選で角川書店が選んだ賞品をさしあげます。

A賞/50名様 角川文庫ホームライブラリーセット(角川文庫ベスト100・ハードカバー装丁)
B賞/200名様 ラジオカセット
C賞/3000名様 文庫専用カバー(革製)
  
 
このフェアの応募葉書を見る限り、昭和54年刊行のハードカバー装に
なる 100冊の角川文庫は読者プレゼントに用意されたもので、
字づらだけを鵜呑みするならば50セットだけが配布されたものだという。
もちろん、余剰に仕立てられ関係者の間で消費された可能性は、他の場合でもまぬがれないが、
一応、50セットが公称だと見ると、あまりこのシリーズを見かけないのも頷ける次第である。
ただ、このシリーズが公共図書館に納められた場合があっても
その後、外部に出ないだろうから古本業界には流布しないだろう。
また、この葉書のことは前記の小冊子にはまった記されていない。





こういったエポックメーキングな企てに
あえてこの作品が、またこの作家が収録されていないかなどという疑問はここでは発しない。
これは、30周年のカドカワサイトからのメッセージなのだから。

私の興味ある作品の多くは実見した。
けれど、未確認ながら堅装の『天才と狂人の間』『本陣殺人事件』『不連続殺人事件』が存在するならば、
ぜひとも手に入れたいものである。
私の手元にある翻訳同シリーズとならいつでも交換可能です。


えっ?
誰も、交換しないだろうって!!

ごもっともごもっとも。



《INTER MISSION》



と、ここまで書いてきたところ、すぐ後に、この全100冊を実見する機会を得たのである。
その内容は以下の通り。

やはりこれは、小冊子『角川文庫スーパーバラエティ100』の内容とはすべて合致するようだ。

ここに少なからず記しておきたいのは、
昭和54年に仕立てられた堅装の角川文庫100の中が同じ紙質によっていることなのである。
これは上質なもののようで手にサラサラとここちよいものではあるものの、
同じ紙型を使用している『乱れからくり』、『オイディプスの刃』と比較検討した結果、
すくなくとも私一人の感触でしかないのだが、
わが掌によると二者の手触りはどうも違うと思えた。




二点とも初刷だが本体は旧レイアウトである



と、いうことは、この100冊の堅装角川文庫、昭和54年にこのラインナップの本を印刷する際、
特別用に上質紙にある程度の部数を印刷したのかも知れない。
ならば、物量角川と、細部に無関心だっと現在からは考えられている当時の文庫セールスが、
案外、繊細な心づくしもあった一例となるのではないか。

さきに、この堅装角川文庫が在庫や返本などの既存本からの流用ではないかと記したが、
それはどうやら違っていたらしい。
少なくとも残務処理的な造本ではなかったようだ。



また、全100冊が、角川春樹指揮により刷新されと思われる新規な外装でありながら、その全冊の巻末に、
創業者角川源義による戦後初期の「角川文庫発刊に際して」なる一頁が
すべからず採録されているのも、興味深い。



078 @ 4270 エーゲ海に捧ぐ 池田満寿夫 S54-05-10 08刷
079 @ 4371 九月の空 高橋三千綱 S54-05-30 01刷
033 @ 4380 さらばモスクワ愚連隊 五木寛之 S54-05-30 01刷
066 @ 4378 何でも見てやろう 小田実 S54-06-10 01刷
071 @ 4315 ジャイアンツは負けない つかこうへい S54-05-30 03刷
055 @ 4348 スローなブギにしてくれ 片岡義男 S54-06-10 01刷
081 @ 4323 乱れからくり 泡坂妻夫 S54-04-25 01刷
095 @ 4335 ジャッカルの日 F・フォーサイス S54-06-10 01刷
086 @ 4369 三太郎の日記 阿部次郎 S54-05-30 01刷
090 @ 4346 日本語について 大野晋 S54-05-30 01刷
001 A 0235 こヽろ 夏目漱石 S54-06-20 96刷
002 A 0045 羅生門・鼻・芋粥 芥川龍之介 S54-06-10 改版26刷
003 A 1735 銀河鉄道の夜 宮沢賢治 S54-06-30 改版24刷
004 A 4374 ジョン万次郎漂流記・本日休診 井伏鱒二 S54-05-30 01刷
009 A 0962 無常という事 小林秀雄 S54-05-30 改版28刷
007 A 0028 人間失格・桜桃 太宰治 S54-05-30 改版32刷
005 A 2333 陽のあたる坂道 石坂洋次郎 S54-05-30 26刷
006 A 2459 稚くして愛を知らず 石川達三 S54-05-30 49刷
010 A 1149 中原中也詩集 河上徹太郎編 S54-05-30 改版24刷
011 A 0346 立原道造詩集 中村真一郎編 S54-05-30 改版24刷
087 A 1295 遠野物語 柳田国男 S54-05-30 改版21刷
098 A 0001 新訂 古事記 武田祐吉訳註 S54-06-20 04刷
099 A 0426 新訂 おくのほそ道 頴原・尾形註 S54-06-10 25刷
100 A 2618 百人一首 島津忠夫訳注 S54-05-30 改版14刷
014 B 2246 淀どの日記 井上靖 S54-06-10 30刷
017 B 1767 或る「小倉日記」伝 松本清張 S54-06-30 改版16刷
018 B 1698 太陽の季節・若い獣 石原慎太郎 S54-06-20 改版49刷
020 B 1928 裸の王様・流亡記 開高健 S54-05-30 20刷
015 B 4375 海辺の光景 安岡章太郎 S54-05-30 01刷
022 B 2888 薔薇販売人 吉行淳之介 S54-06-20 13刷
021 B 1932 海と毒草 遠藤周作 S54-05-30 20刷
012 B 1753 女坂 円地文子 S54-05-30 47刷
025 B 2225 紀の川 有吉佐和子 S54-05-30 40刷
044 B 2854 感傷旅行 田辺聖子 S54-06-30 16刷
075 B 4370 石ころのうた 三浦綾子 S54-05-25 01刷
065 B 3399 カクテル・パーティー 大城立裕 S54-05-30 03刷
067 B 3481 誰かが触った 宮原昭夫 S54-06-30 02刷
013 B 4360 中原中也 大岡昇平 S54-05-20 01刷
016 C 1807 英語屋さん・発恋物語 源氏鶏太 S54-05-30 42刷
019 C 1927 お吟さま 今東光 S54-05-30 17刷
023 C 2327 五番町夕霧楼 水上勉 S54-06-10 24刷
028 C 2322 どくとるマンボウ航海記 北杜夫 S54-05-30 44刷
027 C 2311 背徳のメス 黒岩重吾 S54-05-30 31刷
029 C 2595 天才と狂人の間 杉森久英 S54-05-30 12刷
030 C 2592 巷談 本牧亭 安藤鶴夫 S54-06-30 04刷
032 C 4367 むにゃむにゃ童子 山口瞳 S54-05-25 02刷
041 C 4341 辛酸 城山三郎 S54-05-30 01刷
034 C 2723 白い罌粟 立原正秋 S54-05-30 11刷
039 C 4336 冬の花火 渡辺淳一 S54-05-20 20刷
031 C 4349 ほらふきココラテの冒険 森村桂 S54-05-25 01刷
060 C 3315 津軽世去れ節 長部日出雄 S54-05-30 05刷
080 C 4272 怪しい来客簿 色川武大 S54-05-30 02刷
058 C 4352 オイディプスの刃 赤江瀑 S54-05-30 01刷
082 C 4361 追うもの 谷克二 S54-06-10 01刷
092 C 2926 ラブ・ストーリィ E・シーガル S54-06-30 23刷
008 D 3210 不連続殺人事件 坂口安吾 S54-05-30 19刷
037 D 3018 本陣殺人事件 横溝正史 S54-06-30 33刷
048 D 4174 能面殺人事件 高木彬光 S54-05-30 03刷
056 D 3417 憎悪の化石 鮎川哲也 S54-05-30 09刷
068 D 3834 影の告発 土屋隆夫 S54-05-30 05刷
026 D 2705 夜の終る時 結城昌治 S54-06-20 15刷
042 D 3420 華麗なる醜聞 佐野洋 S54-05-30 09刷
053 D 3178 風塵地帯 三好徹 S54-05-30 04刷
054 D 3191 腐食の構造 森村誠一 S54-05-30 27刷
073 D 3837 玉嶺よふたたび 陳舜臣 S54-05-30 05刷
052 D 4350 野獣死すべし 大藪春彦 S54-06-10 01刷
069 D 3989 蒼き海の伝説 西村寿行 S54-05-30 10刷
024 D 4306 エンタープライズ爆破計画 藤原審爾 S54-05-20 01刷
050 D 4347 殺意という名の家畜 河野典生 S54-05-20 01刷
076 D 3985 蒸発 夏樹静子 S54-06-10 06刷
083 D 4372 動脈列島 清水一行 S54-05-30 01刷
093 D 2173 オリエント急行殺人事件 A・クリスティ S54-05-30 32刷
094 D 2920 笑う警官 M・シューウァル他 S54-05-30 19刷
096 D 4345 法王の身代金 J・クリアリー S54-05-25 01刷
036 E 2856 きまぐれロボット 星新一 S54-05-30 39刷
038 E 4262 農協月へ行く 筒井康隆 S54-05-30 02刷
040 E 3491 復活の日 小松左京 S54-05-30 11刷
057 E 3528 産霊山秘録 半村良 S54-06-30 08刷
051 E 3717 ねらわれた学園 眉村卓 S54-05-30 10刷
059 E 4373 タイム・スリップ大戦争 豊田有恒 S54-06-10 01刷
061 E 3465 死霊狩り1 平井和正 S54-06-30 07刷
070 E 4376 白熱 田中光二 S54-05-30 01刷
077 E 4365 神々の埋葬 山田正紀 S56-06-10 01刷
097 E 4381 エイリアン A・フォスター S54-05-31 01刷
043 F 3778 星の牧場 庄野英二 S54-05-30 03刷
072 F 3711 ベロ出しチョンマ 斎藤隆介 S54-05-30 06刷
047 F 3589 北極のムーシカミーシカ いぬいとみこ S54-05-30 06刷
049 F 3041 ノンちゃん雲に乗る 石井桃子 S54-06-30 12刷
062 F 3353 貝になった子供 松谷みよ子 S54-05-30 10刷
063 F 3367 木馬が乗った白い船 立原えりか S54-05-30 15刷
064 F 4363 ポッペン先生の日曜日 舟崎克彦 S54-05-20 01刷
091 F 0317 不思議の国のアリス L・キャロル S54-05-30 10刷
088 G 2848 日本人とユダヤ人 イザヤ・ベンダサン S54-05-30 55刷
035 G 3913 誰のために愛するか 曾野綾子 S54-06-30 06刷
085 G 1596 改訂新版 ものの見方について 笠信太郎 S54-05-30 改訂37刷
074 G 3857 あゝ野麦峠 山本茂実 S54-05-10 10刷
045 G 2970 われら動物みな兄弟 畑正憲 S54-05-30 15刷
046 G 4265 表の論理・裏の論理 会田裕次 S54-05-30 03刷
084 G 3925 人間へのはるかな旅 森本哲郎 S54-06-20 04刷
089 G 4353 裸のサル D・モリス S54-05-30 01刷



 
昭和60年3月26刷、本体のレイアウトが堅装のものと同じになっている



以下は、実際に全冊を確認し、新たに番号順に記したものである。
通し番号は外装に記されたもので、内部とは違っている。
タイトルのあとに記した色は外装に採用された色で、
これによりジャンル分けしていると考えられるが、
前記の『角川文庫スーパーバラエティ100』にくらべて、
大まかなジャンル分けになっていることが見て取れる。

また、その後に示した源と春≠フ違いは、各冊の扉にある角川文庫のシンボルマークによって記してみた。
つまり、源≠ニは創業者の角川源義が採用した象形文字のような鳳凰マークを伝承したものであり、
春≠ニは二代目角川春樹が当時新たに採用したアニメティックなシンボルイメージである。




NO, タイトル 装色
001 こころ  
002 羅生門・鼻・芋粥
003 銀河鉄道の夜
004 ジョン万次郎漂流記・本日休診
005 陽のあたる坂道
006 稚くして愛を知らず
007 人間失格・桜桃
008 不連続殺人事件
009 無常という事
010 中原中也詩集
011 新編 立原道造詩集
012 女坂
013 中原中也
014 淀どの日記
015 海辺の光景
016 英語屋さん・発恋物語
017 或る「小倉日記」伝
018 太陽の季節・若い獣
019 お吟さま
020 裸の王様・流亡記
021 海と毒薬
022 薔薇販売人
023 五番町夕霧楼
024 エンタープライズ爆破計画
025 紀ノ川
026 夜の終る時
027 背徳のメス
028 どくとるマンボウ航海記
029 天才と狂人の間
030 港談 本牧亭
031 ほらふきココラテの冒険
032 むにゃむにゃ童子
033 さらばモスクワ愚連隊
034 白い罌粟
035 誰のために愛するか
036 きまぐれロボット
037 本陣殺人事件
038 農協月へ行く
039 冬の花火
040 復活の日
041 辛酸
042 華麗なる醜聞
043 星の牧場
044 感傷旅行
045 われら動物みな兄弟
046 表の論理・裏の論理
047 北極のムーシカミーシカ
048 能面殺人事件
049 ノンちゃん雲に乗る
050 殺意という家畜
051 ねらわれた学園
052 野獣死すべし
053 風塵地帯
054 腐食の構造
055 スローなブギにしてくれ
056 憎悪の化石
057 産霊山秘録
058 オイディプスの刃
059 タイムスリップ大戦争
060 津軽世去れ節
061 死霊狩り1
062 貝になった子ども
063 木馬がのった白い船
064 ぽっぺん先生の日曜日
065 カクテル・パーティー
066 何でも見てやろう
067 誰かが触った
068 影の告発
069 蒼き海の伝説
070 白熱
071 ジャイアンツは負けない
072 ベロ出しチョンマ
073 王嶺よふたたび
074 あゝ野麦峠
075 石ころのうた
076 蒸発
077 神々の埋葬
078 エーゲ海に捧ぐ
079 九月の空
080 怪しい来客簿
081 乱れからくり
082 追うもの
083 動脈列島
084 人間へのはるかな旅
085 改訂新版 ものの見方について
086 三太郎の日記
087 遠野物語
088 日本人とユダヤ人
089 裸の猿
090 日本語について
091 不思議の国のアリス
092 ラブ・ストーリー
093 オリエント急行殺人事件
094 笑う警官
095 ジャッカルの日
096 法王の身代金
097 エイリアン
098 新訂 古事記
099 新訂 おくのほそ道
100 百人一首




なお、角川の`82の文庫フェスティバルの小冊子、「文庫による読書感想文コンクール」の賞品には、
『スクールライブラリー/辞書』、`83にも『スクールライブラリー』、`85年には『角川文庫特製セット』。
ずうっと後になる`98年のものにも『角川文庫特製セット/辞書』が賞品に含まれている。
この例は実のところ、手元にある角川文庫に関した小冊子から引き出したものであって、
角川書店が賞品として特装の文庫を、どの程度の量、
どの時期に仕立て上げたすべての歴史の証左にはならない。
もしかしたらもっともっとこういった非売本もあるのだろうか。

こういった特装本が今のところ全体像が分からないままだが、
出版ジャーナリズムの流れという視点からはもちろん、世に出たことは記憶に残すべきである。

そして、こういったこれまで世に知られていない非買品だが、また、徐々にコレクターアイテムになってきているとも、
少しずつ耳にするようになってきている。


〇大衆文学資料







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